東邦大学 教育・研究業績データベース   
     


  アリタ ミチツネ   Arita Michitsune
  有田 通恒
   所属   東邦大学  医学部 医学科
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル N-myc非増幅神経芽腫細胞が示すMAPK経路活性化を介した低酸素性N-myc発現増加と増殖亢進.
会議名 第55回日本小児血液・がん学会学術集会
学会分類 日本学術会議
学会区分 国内学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎有田通恒, 酒井正人, 黒岩 実, 近藤元就, 逸見仁道
発表年月日 2013/11/29
開催地
(都市, 国名)
福岡
概要 【背景】神経芽腫細胞ではN-Mycタンパクの大量産生により低酸素下でのHIF-1によるN-Myc機能抑制を防ぐと考えられる.我々は昨年の本学会にて,N-myc遺伝子非増幅細胞株は低酸素下でN-myc発現の活性化を介した増殖亢進を示すことを報告した.阻害剤を用いた予備的な検討から,低酸素性N-myc活性化には少なくとも1つのmitogen-activated protein kinase (MAPK) 経路 (MEK-ERK) が関与することも見いだした.
【目的】N-myc非増幅神経芽腫細胞株での低酸素下性N-myc遺伝子活性化の経路を明らかにする.MEK-EKR系を含む複数のMAPK経路について,kinase阻害剤の影響や各経路で働くMAPKのリン酸化を調べ,N-myc活性化への寄与度を比較する.
【材料と方法】ヒト神経芽腫細胞株 (SK-N-SH, GOTOなど) を低酸素下 (0.1% O2)で培養し,MAPKの活性化を抗リン酸化MAPK抗体を用いて比較した.また,各MAPK経路の阻害剤を用いて,低酸素下でのN-myc発現亢進に対する影響を調べた.
【結果と考察】低酸素下で増殖の亢進が認められたN-myc非増幅株SK-N-SHでの,3つの異なる経路のMAPK (ERK1/2, JNK, p38) の関与をリン酸化を指標にして調べた.その結果,ERK1/2, JNK及びp38はいずれもほぼ同等のリン酸化 (1.7~2.1倍) を受けていた.一方,同条件下で培養したN-myc増幅株GOTOでは顕著なリン酸化は認められなかった.次に,これらMAPK経路の活性化とN-myc遺伝子の発現活性化との関係を知るために,各MAPK経路の阻害剤を用いて,SK-N-SHの低酸素性N-myc発現活性化に対する影響を調べた.低酸素下での細胞増殖に対する50%阻害濃度を用いて各阻害剤の影響を比較したところ,MEK1/2阻害剤であるU0126共存下でもっとも顕著なN-mycの活性化抑制が認められた.これらの結果より,U0126にはN-myc非増幅神経芽腫に対する優れた抗腫瘍効果が期待できると考えられた.