キクチ ヨシノリ   Kikuchi Yoshinori
  菊池 由宣
   所属   東邦大学  医学部 医学科
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル レゴラフェニブを使用した2症例の検討
会議名 第52回日本癌治療学会学術集会
学会区分 国内学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎菊池由宣†, 土方一範†, 乾山光子†, 森田宏†, 塩澤一恵†, 渡辺学†, 五十嵐良典†, 住野泰清†, 斎藤彰信†, 島田英昭†
発表年月日 2014/08/30
開催地
(都市, 国名)
横浜
学会抄録 日本癌治療学会誌 49(3),2426-2426 2014
概要 切除不能大腸癌に対するレゴラフェニブの有用性は、日本人を含むランダム化二重盲検プラセボ対照国際共同第III相臨床試験(CORRECT試験)で認められ2013年3月に承認された。2014年1月に刊行された大腸癌治療ガイドライン(2014年度版)においても3次、4次治療に位置づけられたがその薬剤の特性から様々な有害事象を生じているため実臨床の現場ではまだ浸透していない。われわれはレゴラフェニブを使用した2症例の経験を踏まえ検討する。【症例1】64歳男性。健康診断で右胸水を指摘され紹介受診。入院後の精査にて上行結腸癌+ 右癌性胸膜炎と診断(K-ras mutation)。2011 年11 月よりmFOLFOX6 療法を、2012 年10 月よりFOLFIRI+BV療法を開始した。2013 年2月のCT にてPD と判断し化学療法を中止した。2013年6月よりレゴラフェニブの内服を開始した。投与1週間でグレード2の手足症候群と高血圧を認めた。投与13日目より体幹に癒合傾向のある小豆大の紅斑が出現した。皮膚科受診にて多型紅斑型薬疹の診断をうけ投与中止となった。その後、他院に転院し2013年10月に永眠した。【症例2(11098503)】78歳男性。1989年に他院で直腸癌の手術を施行し、UFT+LV療法による補助化学療法を1年受け、経過観察を行っていたが2012年6月に肺腫瘤を指摘され紹介。CT下肺生検にて腺癌を認め、免疫染色でTTF-1(-)、CK7(+)、CK20(+)であることから直腸癌肺転移と診断した。2012 年9月よりmFOLFOX6+BV 療法を開始した。2013年9月まで投与可能であったがオキサリプラチン投与中に蕁麻疹出現したため2013年11月よりFOLFIRI+BV療法に変更した。グレード3の下痢症状と画像上、PDと判断されたため2014年1月よりレゴラフェニブの内服を開始した。投与開始day25の血液データにてグレード2の急激な低アルブミン血症をきたし顔面および下肢に著明な浮腫を認めたため投与中止となった。【まとめ】レゴラフェニブは稀に0.6% の頻度で多型紅斑、0.8% の頻度で低アルブミン血症を認めるため十分な観察が必要である。