ミズノ フヅキ   Mizuno Fuzuki
  水野 文月
   所属   東邦大学  医学部 医学科
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 殷墟から出土した古人骨の次世代シーケンサによるゲノム解析
会議名 日本DNA多型学会 第23回学術集会
学会区分 国内学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎水野文月,澤藤りかい,木花牧雄,黒崎久仁彦,王瀝, 植田信太郎
発表年月日 2014/11
開催地
(都市, 国名)
愛知
概要 黄河流域・河南省安陽に位置する殷墟は,今から3000 年前の古代中国において青銅器
や亀甲獣骨文字に代表される商代(紀元前1600-1046 年)最後の首都で,文明の中心地
であった.考古学的に実在が確認されている中国最古の王朝とも言われ,古代中国を代
表する遺跡の一つである殷墟に住んでいた人々の遺伝的特性を明らかにするため,殷墟か
ら出土した古人骨DNA 試料のゲノム解析をおこなった.次世代シーケンサ(NGS)の
登場により,古代DNA 研究は新しいアプローチが可能になった.しかし,永久凍土や
石灰岩層など極めて良好な保存状態の生物遺骸ではなく「普通の出土古人骨」ではDNA
は短く断片化され微量しか含まれず,さらにその99% 以上は土壌菌など他生物由来の
DNA である.抽出したDNA をそのままNGS 分析した場合,膨大なNGS ラン費用と
データ解析が必要となるが,これまでに我々が開発した実験手法を用いてNGS 分析をお
こなうことで,効率的に目的のゲノム配列を得ることができるようになった.本発表で
は,0.0006% という非常に低い割合の内在性DNA しか含まれない古代DNA 試料から
ミトコンドリア全ゲノム配列を高いカバレジで得ることができ,さらに核SNPs も少数
であるが得ることができた分析について,現在の東アジアの人々との比較・系統解析をお
こなった結果を報告する.