オザキ　イサム   Ozaki Isamu   尾﨑　勇    所属   東邦大学  医学部 医学科    職種   研究員（寄付講座）
研究期間	1996～1997
研究課題	刺激の認知と反応に関わる脳電位解析
実施形態
研究委託元等の名称	文部科学省
研究種目名	基盤研究(C)
研究機関	弘前大学
科研費研究課題番号	08670690
代表分担区分	研究代表者
研究者・共同研究者	尾崎 勇,馬場 正之,八重樫 裕幸
概要	体性感覚刺激により誘発される2つの初期皮質電位、N20-P20反応とP22反応(いずれも30〜50Hz成分に属する)のうち、前者に600〜800Hzの高周波成分が重畳することに注目し、正中神経刺激による体性感覚誘発電位を正常被検者で記録し、高周波振動の分析を行った。その結果、もう一つの初期反応であるP22電位にも600〜800Hz高周波振動成分が重畳することを初めて見い出した。これらの高周波振動はピーク周波数も振幅も意識レベルにより変動することから、体性感覚刺激の認知に関与していることが推察された。また、体性感覚刺激の認知に要する時間に関しては、抹消・中枢伝導路のいずれにおいても身長のみならず加齢によって延長することを報告した。さらに、初期皮質電位の始まりを決定するための、脳電位の記録方法に関する検討を行い、記録電極の至適配置と分析法について報告した。標的刺激と非標的刺激をランダムに与えて、標的刺激に手指伸展で反応する認知関連電位の実験に関しては、48チャンネルで脳波と反応時間(手の筋電図)を連続的に記録した。個々の標的刺激に対する反応時間は、標的刺激をトリガーとして加算平均して得られるP300電位にしばしば先行していたことから、P300電位は認知の過程のみならず、決断後の情報処理過程をも反映していることが示唆された。
PermalinkURL	http://kaken.nii.ac.jp/d/p/08670690.ja.html